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Day08

 そして遺跡外の夜も更け。
 軒先に赤提灯が下がる店。
続き
「――っつーわけでさー、眼鏡と赤毛が人使い荒くって」
「それだけリンさんを信頼しているってことですよ」
「でもさ、マンホールはないでしょ、マンホール」

 カウンターで管を巻く女が一人。
 年の頃は二十半ばか。東洋人の顔付きは西洋人のそれより幼いため、正確なところはわからない。
 北のほうの出身か、化粧気のない肌は白い。その頬だけは赤く染まり、目は心地よさに蕩けている。

 今日も随分と冷える。外は寒風吹きすさぶ冬。
 戸一枚隔てた店内には人の心をほぐす温もりがある。
 女の前には空になった徳利が並んでいる。

 相手をしているのはやはり東洋人らしき女。腰まで届く長い黒髪に、大きな瞳が印象的である。
 カウンターの中で菜箸を握っている。この店の店員であろう。
 時折手を伸ばし、カウンター越しに客に酌をする。

「こんな時間までいいんですか? またお仲間に怒られますよ」
「っと、そうだね。そろそろ帰んなきゃ。また来るわー」
「はい、まいど」


「……リン、酒臭いぞ」
「まぁまぁ、固いこと言わずに~」


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ENo.1199 佐々野 望さんお借りしました

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