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父と子の往復書簡・3日目

時計 2007/05/19

拝啓

若葉の色がだんだん濃くなってきました。
お父さん、お元気ですか。
お腹出して寝たりしていませんか。
実家のお祖父様にイビられていませんか。

こちらは早くも大変なことになりました。
鬼城さんが増殖しました。
いえ、生物の授業のプラナリアみたいに増えたのではないんだけれど、私もまだちょっと混乱していて、どう書いていいのかわかりません。
ええと、てっきりお一人だと思っていた鬼城さんはお二人でした。
じゃなくて、うーん、とにかく、鬼城さんにはご一緒してる方がいて、その方がまた、

男の人でした。

しかも顔が怖いです。
体格もいいです。口調も乱暴です。
ヤ○ザの方なのかもしれません。
ご挨拶しなければと思うんだけど、怖すぎて近づけません。
挨拶はちゃんとしなさい、というお父さんの言い付けを守れなくてごめんなさい。

もう一人、お仲間になった司狼さんも男の人で(この人はうさぎのぬいぐるみを持っていました。別の意味で近づくのが怖いです)、今、私は三人の男の人の中に一人という状況です。
おまけに、筋肉質で全身緑色の変な人が私たちに襲いかかってきました。
どうしてかわからないけれど、怒っているようです。

お父さん、零はもういっぱいいいっぱいです。
泣きたいです。
うちに帰りたいです。

でも、帰ったら負けてしまう気がします。
だからもう少しだけ、お父さんの梅干を食べながら頑張ろうと思います。
神様、お父さん、零にほんのちょっぴりでいいので勇気をください。

では、またお手紙します。

敬具


追伸:
お父さんのお知り合いにご挨拶しようと思ったのですが、たくさんの方と談笑していらしたので近づけませんでした。
明日はご挨拶してきます。

続き
* * *


零へ

すぐ帰ってきなさい。

父より