記事一覧

父と子の往復書簡・39日目

時計 2008/05/14

お父さんへ

お元気ですか。
無事日本に着きましたか?
十和子さんがお父さんに話があると言っていました。
大事な話っていってたけど、新しいお仕事のことなのかな。
早めに連絡してください。

さて、私のほうはまずまずといったところです。
まだ勘が戻っていないけれど、お父さんが使っていた道具もあるし、なんとかなると思います。
菅原さんやコルトさんもいるしね。

そういえば菅原さんの様子がおかしいです。
ぶつぶつと英文を繰り返し呟いています。
でも文法とか間違ってるの。
大丈夫かな。私の参考書、貸したほうがいいかな。
今度また参考書送ってくれる?

ではまたお手紙します。


* * *
続き

零へ

手紙ありがとう。
ご心配なく。無事、家に着きました。

十和姉のところにはすぐに行きました。
案の定、溜まっていた家事をやらされたよ。
残念ながら仕事の話ではありませんでした。

こちらに帰ってきたら一気に疲れが出てきたので、
しばらく養生してから仕事探しを再開しようかと思います。
もう少し丈夫だったら無茶も利くんだろうけれど、
体のほうが大事だからね。
財布は苦しいけれど、自分のペースでやるしかない。

ところで、菅原君は時々変なこと口走る癖があるみたいだけど、
彼は彼で苦労しているみたいだからできるだけ力になってやりなさい。
時々パンを焼いてあげるといいかもしれません。

困ったことが起きたら連絡してください。
こちらでもできる限りのことはします。

父より