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父と子の往復書簡・6日目

時計 2007/06/10

拝啓

紫陽花が咲き始めました。
お父さん、お元気ですか。
そろそろ梅を漬ける頃でしょうか。
干した梅を転がすのが私の仕事なのに、今年はお手伝いできなそうで残念です。

この島には梅雨はなさそうで少しだけ安心しています。
普段は遺跡の中にいるから濡れることはないけれど、湿っぽいのは好きではありません。
髪が広がって大変なことになっちゃうんだもん。
お父さんみたいなさらさらの髪だとよかったのにな。

こちらは至って順調です。
ついこの前、鬼城さんが変な生物?を捕まえていました。
石壁なんだけど、手足がついていて動いて喋るんです。
この島の生態系は本当によくわかりません。
うん、でも石壁さんがいてくれるとちょっとだけ安心、かな。
いざとなったら後ろに隠してもらえばいいよね。

対象を視認しなくても魔法って使えるよね。
見たくないものは見たくないです。

ではまたお手紙します。

敬具


追伸:
カイワレが大変ってどうなっちゃったの?

続き
* * *

零へ

とりあえず報告だけします。
勢い良く伸びたカイワレがベランダを占拠しはじめています
カイワレ料理だけでは消費し切れないので、一部処分しました。
そちらにも少し送ります。
ありえないくらい生命力が強いので、枯れていないはずです。

零、カイワレに何をあげていた?
どんなに成長してもここまで長くならないはずだよ。

父より