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父と子の往復書簡・41日目

時計 2008/05/30

 独りでいるのは平気だった。
 幼い頃から留守番していたせいか、独りになることには慣れていた。寂しいと思うことはあっても、身を引きちぎられるほどの苦痛を感じたこともない。これまで出会ってきた仲間と道を分かつ時も、彼等に対する惜別の念はあっても、それから先、一人で歩むことに不安はなかった。
 普通の少女でありながら、普通ではない家庭事情。孤独に慣れ、一人でいることも厭わない。
 だから人といることが苦手かと言えばそういうこともなく、彼女はごく普通に健全な人間関係を築いていた。そもそも、集団が煩わしいのなら学校などには行っていられない。友達と過ごす賑やかな一時もまた、彼女にとっては大切な時間だった。

 だけど、父親以外の男性と二人でいることには慣れていなかった。

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