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Day4 /Killy

 何故と問われても退屈凌ぎとしか答えようがない。
 女は常に退屈だった。

 求めてやまなかった術は飽きるほど永い時を与えてくれた。
 己の出自も真の名も忘れてしまうほどの永さだ。
 永い時は学ぶには短すぎ、娯楽に費やすには長すぎた。
 学ぶほどの根気もなく、かと言って絶えず遊びを思いつくほどの才能もない。
 どちらも熱心にやるほどの意欲がなかった女は、結果、暇になった。

 暇に飽かして、目につくものを壊してみた。
 欲しいと思ったものは手に入れた。
 手に入ったものはすぐに飽きた。

 次々と壊し、手に入れ、そして捨てた。

 いつしか人は女を魔女と呼んだ。鬼と呼んだ。悪魔と呼んだ。災厄と呼んだ。
 しかし女はそんな二つ名など意に介さず、思うがままに行動した。
 いくつもの国境を越え、いくつもの街を渡り歩いた。

 時だけは永遠にあった。


 そして、それも通り道の一つだった。
 とある国のとある小さな農村の、どこにでもあるような道だった。

 すでに通り過ぎた小道のことなど、女は欠片も覚えていない。