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父と子の往復書簡・5日目

時計 2007/06/04

拝啓

衣替えの季節となりました。
お父さん、お元気ですか。
十和子さんのお仕事の邪魔はしていませんか。
宝くじを当てようなんて夢は見ていませんか。

先日、お父さんのお知り合いのエレニアさんにご挨拶をしてきました。
エルフさんとお話するのは久しぶりなので緊張してしまいました。
そしたら実の娘かどうか疑われてしまいました。
それに葱…?がどうとか仰っていました。
お父さん、零はお父さんが何をしているのかさっぱりわかりません。
真面目にアルバイトしているものと思っていたのでショックです。
家に帰ったら話し合いましょう。

今日はエリカさんにお洋服をつくってもらいました。
さすがに制服だけは心もとありません。
また変な緑色の生物が襲ってこないとも限りませんしね。
服は、お父さんが作っていた霊装っぽくしてもらいました。
形だけなんだけど、見慣れたものを身につけていると落ち着きます。

あ、零はまだまだホームシックにはなっていませんよ。
まだまだ始まったばかりだし、もう子供じゃないもんね。
こんなところで弱音なんて吐いてられない。

では、またお手紙します。


追伸:
ベランダのカイワレとミニトマト、ちゃんと育ってる?

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父と子の往復書簡・4日目

時計 2007/05/28

拝啓

そちらはそろそろ梅雨に入るかと思います。
お父さん、お元気ですか。
滞納していた携帯電話の使用料、ちゃんと支払いましたか。
家賃払いに行って大家さんにお説教されたりしていませんか。

さて、前のお手紙で男3女1になってると書きましたが、ちょっと状況が変わってきました。
もうお二人、女性の方が同行してくださることになっていました。
いつも一緒というわけではありませんが、これには心強いです。
おひとりは明るい郵便屋さんで、これから私のお手紙はこの方にお願いしようかと思っています。
もうおひとりは、その、水着みたいなお洋服の方で、あんなに肌が出てるのにどうして虫に刺されないのかなと不思議です。

それでも、どうしても鬼城さんの同行者さん(隼人さんとおっしゃるそうです)には近付けませんが、どうにか?うまくやっているような気はします。
私の気のせいかもしれませんけど。

なので、心配しないでください。
大丈夫、零はがんばれます。
この島で絶対宝玉見つけて帰るからね。

あ、そうそう。
授業をやっている先生みたいな方を見つけました。
地霊がなんとかと言ってたけど、本当に先生っぽいから普通の授業もしてくれるよね。
学校行けない分はここで取り戻そうと思います。
学生の本分は勉強だもん。
来年は桜の花を咲かせたいです。

では、またお手紙します。

敬具


追伸:
シス単送ってください。
それと、そろそろ携帯のメールの使い方覚えてください。
そっちのほうが早いです。

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父と子の往復書簡・3日目

時計 2007/05/19

拝啓

若葉の色がだんだん濃くなってきました。
お父さん、お元気ですか。
お腹出して寝たりしていませんか。
実家のお祖父様にイビられていませんか。

こちらは早くも大変なことになりました。
鬼城さんが増殖しました。
いえ、生物の授業のプラナリアみたいに増えたのではないんだけれど、私もまだちょっと混乱していて、どう書いていいのかわかりません。
ええと、てっきりお一人だと思っていた鬼城さんはお二人でした。
じゃなくて、うーん、とにかく、鬼城さんにはご一緒してる方がいて、その方がまた、

男の人でした。

しかも顔が怖いです。
体格もいいです。口調も乱暴です。
ヤ○ザの方なのかもしれません。
ご挨拶しなければと思うんだけど、怖すぎて近づけません。
挨拶はちゃんとしなさい、というお父さんの言い付けを守れなくてごめんなさい。

もう一人、お仲間になった司狼さんも男の人で(この人はうさぎのぬいぐるみを持っていました。別の意味で近づくのが怖いです)、今、私は三人の男の人の中に一人という状況です。
おまけに、筋肉質で全身緑色の変な人が私たちに襲いかかってきました。
どうしてかわからないけれど、怒っているようです。

お父さん、零はもういっぱいいいっぱいです。
泣きたいです。
うちに帰りたいです。

でも、帰ったら負けてしまう気がします。
だからもう少しだけ、お父さんの梅干を食べながら頑張ろうと思います。
神様、お父さん、零にほんのちょっぴりでいいので勇気をください。

では、またお手紙します。

敬具


追伸:
お父さんのお知り合いにご挨拶しようと思ったのですが、たくさんの方と談笑していらしたので近づけませんでした。
明日はご挨拶してきます。

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父と子の往復書簡・2日目

時計 2007/05/14

拝啓

だんだん暑くなってきましたが、お父さん、お元気ですか。
季節の変わり目で風邪引いていませんか。
お仕事は見つかりましたか。
お仲間にいじめられていませんか。

私は島に来てから一日が経ちました。
知らない人だらけで不安でしたが、幸い、人を紹介してもらえたので、初日はその人を探していました。
珊瑚さんという素敵なお名前の方です。
紹介状に添えてあった手紙によると、料理が得意で美人さんで、動物にも優しい方なのだそうです。
確かな筋からの紹介なので本当に信頼できる人だと思います。
それで前述の通り、珊瑚さんを探して、すぐに見つかったのですが……

珊瑚さん、男性でした。

お名前から女性の方と思い込んでいたので大ショックです。
しかも珊瑚さんというのは通称みたいなもので、本名は鬼城勝さんというちょっと怖いお名前でした。
そういえば手紙には女の人だなんて一言も書いてなかったな。
たしかに優しそうな方だし、声も素敵だし、見たことないくらいの美形さんなんだけど、私、ちょっと無理かもしれません。
お父さん以外の男の人となんて、滅多にお話ししたことないんだもん。
どうしよう。
でも他に知ってる人もいないし、珊瑚さんについていくしかないんだけど、本当にどうしよう。

これも試練なのでしょうか。
もっともっと強くなりなさいっていう神様の思し召しなのかも。
零はもう少しだけ頑張ってみます。
もしも逃げ帰っても、怒らないで下さいね。
それでは、身体だけは注意してください。弱いんだから。

またお手紙します。

敬具

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父と子の往復書簡・1日目?

時計 2007/05/09

れいちゃんへ

やっほーげんきー?
メイはただいまバカンス中よー
オキナワのうみはとーってもきれいなの
まいにちさんごしょーおよいでるの
すっかりまっくろウサギなのです

んっと、れいちゃんもしまにいくんだっけ?
だったらいい人しょうかいしたげるー
ちょーおすすめぶっけんなのです!
くわしーことはどーふーのおてがみをみてください

またおてがみちょーだいね
まってるよー

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