港に着いた彼女がまず発した言葉は、
「なんでお父さんがいるの?」
であり、
出迎えた彼が発した言葉は、
「どうして制服着てるんだ?」
であった。
港に着いた彼女がまず発した言葉は、
「なんでお父さんがいるの?」
であり、
出迎えた彼が発した言葉は、
「どうして制服着てるんだ?」
であった。
何度か書き直されたメモ帳がある…
七日目
十和姉と零から電話があった。
零が志望校に合格したとの報告だった。
信じていたけれど、きちんと本人の口から聞くと嬉しい。
本当に、あの子の一年が無駄にならなくて良かった。
気になったのは、また島に戻ると言っていたこと。
合格したら入学式があってそのまま授業が始まるはずで、
こんなところに戻ってくる暇はないはず。
どういうことだろう?
それにまだ零は僕が島にいることを知らない。
メイちゃんがいると思っているらしい。
どうしよう?
どうしようと言ったところでどうにもなるわけがない。
零に渡してくれと頼まれた物もあるし、会わないわけにはいかない。
腹を括っておくしかない。
顔合わせたらまず何を言われるだろう?
そう、コンビニの店長さんから零にとホワイトデーのお返しを貰った。
手作りらしい小さな包みだった。
クッキーかキャンディーかな。さすがに中を見るなんて野暮なことはしない。
あの人も随分とマメな人だ。
僕をネギ哉とか変な名前で呼ばなければいい人なんだけど。本当に。
さて、零が帰ってくる前に目の前の処理をしないと。
一時的に組むことになった人はいつもの菅原君じゃなくて雲月さん。
この人にだけは気をつけろと誰かに言われた覚えがあるんだけど……
大丈夫かな。
なんだか彼の視線が怖い。
身の危険を感じる。
メモはそこで終わっている…
「念のためこれを渡しておきますね、壱哉さん」
「……菅原君、僕、痔の薬とかそういう冗談あまり好きじゃないんだけど」
メモ帳によれた字で書いてある…
六日目
また菅原君たちとはぐれた。
明日で一週間経つとは言えまだこの島には慣れない。
独りでは不安だ。
そういえば菅原君はイディアさんからチョコレートを貰ったようだ。
しかし彼女には本命がいるようだから思いっきり義理なのだろう。
たとえ義理でもいただいたことには変わらない。
彼女への三倍返しは大変そうだ。
成功を祈る。
そういえば僕も式村さんにお返ししないといけないか。
エレニアさん用に作った葱チョコ余ってるからこれで、というわけにはいかないよね。
はぐれてしまった二人を探しているうちに妙な声が聞こえてきた。
何事だろうと思っていると、奇妙な人物が現れた。
つるりとした肌に色のない瞳、そして表情がない顔。
襲われそうな予感がします。
泣きそうです。
人外はザッハくんたちだけでいいです。
メモはそこで終わっている…
「零の合格発表もそろそろか……」
少し破れたメモ帳がある…
五日目
この島の時間の流れは、外の世界とは違うらしい。
遺跡の外に出る少し前に回ってきた回覧板に、バレンタインとクリスマス実施について書いてあった。
バレンタインはともかくとして、クリスマスは遅いんじゃないかな。
菅原君に聞いたら「栗鼠だから」と言って笑っていた。
意味がわからない。
しかし、これでやたらと周りが浮ついている理由がわかった。
あちこちで仲が良さそうな男女を見かけた。
僕は特にすることもなさそうなので、また鬼城さんとこにお茶でも飲みに行こうと思った。
けれど、行ったら隼人さんと顔を合わせることになる。
それはそれでなんだか気まずい。
娘の想い人(と思われる人物)と平静に話ができるほど僕は大人じゃない。
だけど一人は寂しいからエレニアさんのところに行った。
「ウザイ」と一蹴された。
今度手合わせするイディアさんに挨拶に行った。
涼やかだけど鬼気迫る物を秘めた眼で睨まれた。
十和姉に電話したら「仕事中」と切られた。
仕方ないので菅原君を誘って焼肉を食べに行くことにした。
「奢りですか?」と聞かれたので牛丼に変更した。
メモはそこで終わっている…
「卵は自腹で追加してください」
「壱哉さんって器が小さいですね」
端が破けたメモ帳がある…
四日目
命の危機だった。
それだけしか言えない。
二度と思い出したくない。
あんな本にはもう一生触るもんか。
十和姉からの定期連絡があった。
零は前期試験に向けてがんばっているようだ。
手紙には板チョコがついていた。
半分溶けていた。
切ない。
メモはそこで終わっている…
「バレンタインねぇ~……菅原君、チョコケーキでも作ってあげようか」
「それ、空しくないですか?」
わずかに濡れたメモ帳がある…
三日目
やはりこの遺跡はどこかおかしい。
さらに地下に降りたというのに森や草原が広がっている。
もちろん茸や苔の群生ではない。
霊脈を読もうと宵藍に呼び掛けたが呼び出しに応じない。
まだあの赤い石のことで拗ねているらしい。
菅原君は「猫駆除、猫駆除」と繰り返し呟いていた。
猫に怨みでもあるのだろうか。
彼からは時々黒いオーラが見えるようになった。
続く回廊の片隅に一冊の本が落ちていた。
表紙には「妖蛆の秘
メモはそこで終わっている…
「あれ? 壱哉さんは?」
「……拾い食いでもして腹壊したんだろ」
角が焦げたメモ帳がある…
二日目
イガラシとかいう男から丸い玉を貰う。
この島に眠る宝玉のひとつだそうだ。
赤い色は火の力が篭められているからだとか。
宵藍に見せたら一瞥しただけで消えてしまった。
水のモノと火の宝玉だから相性が悪いのだろうか。
そういえばイガラシに追いかけられている間、こちらを指差して「おっさん」と言ってる金髪のエルフを見たような気がする。
まさかあの人じゃないよね?
まだ24なんだけど。
菅原君と再合流。
知ってる顔を見てひと心地ついたと思えば練習試合をするという。
相手は体格のいい色黒の男性と、猫耳のお嬢さんと、どこか眠そうなエルフの人。
まぐろさんと呼ばれている体格のいい男性がこわい。
腕回りなんて僕の二倍ある。
菅原君もけっこういい体しているし、この島はこんな人がごろごろしているのだろうか。
零、お父さんはくじけそうだ…
メモはそこで終わっている…
「壱哉さんも身体鍛えれば?」
「菅原君みたいに丈夫だったらね……」
メモ帳に走り書きで書いてある…
一日目
菅原君、コルト君の二人に会う。
零がこの二人と行動を共にしていた理由は不明。
白昼夢でも見ていたような不明瞭な感覚が続いている。
この島特有の磁場のせいだろうか。
霊脈を走査したら何かわかるかもしれない。
ボサボサ頭のサングラス男に遭遇。
気付けば菅原君たちとはぐれていた。
僕一人で対処しなければならないらしい。
こっちは支援専門なのに無茶を言う。
やむなく宵藍を呼んだものの、何故か出てこない。
僕独り。
エレニアさん助け
メモはそこで終わっている…
「ああああー! どうして僕がこんな目にぃぃぃー!!!」
「……コルトさん、悲鳴聞こえませんか?」
「……さあな」
島の港は小さい。便宜上港と呼ばれているが、実際は辺鄙な漁村のそれとそう変わらない。粗末な桟橋が突き出ているだけの入江は狭く、小型のフェリーがやっと入れるかどうかというくらいだ。
それでも島への出入りにはこの港を使うしかない。外部から島への唯一の玄関口なのだ。これまで多くの招待客がここから上陸し、そして去って行った。
今日もまた船が出る。荷物を抱えた乗客らが港に集まっていた。彼らは島を出る一団だ。やむを得ない理由で遺跡探索を断念した招待客だった。そこらで仲間たちと別れを惜しむ声が聞こえる。
零もその島を去る一群の中にいた。だが、彼女は他の乗客達とは違った。大学の入学試験のために一時帰国するだけだ。それが一段落したらまた島に戻ってくるつもりでいた。
「私の代わりの人が来るはずなので、よろしくお願いします」
零は頭を下げた。相手は同じ年頃の少年だ。彼は縁日によくあるようなお面を頭の後ろにつけていた。しんみりと周囲とは変わり、有名なヒーローの顔のお面だけはにこやかに笑っていた。
「あの、こんな大事な時に穴を空けちゃって、本当にごめんなさい」
「代理の人も来ることですし、こちらは心配しなくていいですよ」
零と少年の距離は約三メートル。これが男性恐怖症の彼女の精一杯だった。
「ところで代理の人ってどんな人?」
「十和子さんというOLさんか、メイちゃんという兎の女の子です。二人とも私よりずっと頼りになりますから」
まだ来てないみたいだけど、と零は少しだけ顔を曇らせる。島を離れるにあたり、それだけが気掛かりだった。
「出発の時間でーす」
二人の会話を船員の声が遮った。
「時間、ですね」
足元に置いた荷物を抱え上げる。
「陽奈さんやエドさんたちにもよろしくお伝えください」
言って再び頭を下げた零に、少年は手を差し出した。わけがわからず零はその手を見つめていたが、意味するところを汲むと、小さな声で「ごめんなさい」と言った。
「まだ無理ですか」
少年は苦笑する。零は実に申し訳なさそうに謝り倒す。近くで話すのもやっとなのに、握手はハードルが高すぎた。
「まあ、この問題は帰ってきてから追い追いということで」
差し出していた手をバイバイと振る。零も肩口まで手を挙げ、小さく振った。そのまま船のほうに歩いていく。
乗船口に並び、切符が切られるのを待つ。
そこに。
「蒼凪さん!」
呼ばれて振り返った。背が高く、細面の青年が息を切らせて走ってくる。
「受験でしょ? これ……お土産!」
彼は零まであと少しというところまで来ると、何かを投げて寄越した。反射的に受け取って見ると、それは小さな木箱だった。
「中身、見て!」
肩で荒い息をしながら青年が言う。零は言われるままに紐を解き、蓋を開けた。東洋の薬のような香りが鼻腔をくすぐる。
「これ――」
中の物を指先でつまんで取り出す。それは小振りの黄色い包みだった。お土産ではない。お守りだ。
「合格祈願とかいうのに適した布で作った、匂い袋だけど……よかったら、どうぞ♪」
「ありがとう……ありがとうございます! 絶対合格してきます!」
ありったけの大声を出し、零は深々と頭を下げた。
顔を上げると、青年の姿が見えない。滲んだ視界にぼんやりと金の髪と白いシャツが映るばかりだ。
「お客さん」
船員が手を差し出してきた。零は涙を拭って切符を渡す。
「良いお友達をお持ちですね」
切符とともに返ってきた言葉に、零は深く頷いた。胸に小さな包みを抱き締めて。
お父さんへ
12月になりました。
そちらはますます寒くなっていくと思いますが、お元気ですが。
今日はひさしぶりに遺跡の外に出ることになりました。
ちょうどいいと言えばちょうどいいのかな。
入試も目の前ですし、このタイミングで一旦日本に帰ろうと思います。
センター試験が終わったら島に戻り、前期試験前にもう一度帰ります。
慌しいけどしかたないよね。
しばらく空けちゃうのは菅原さんたちにも申し訳ないから
メイちゃんか十和子さんにその間のヘルプをお願いしています。
だけど、まだお返事きてないんだよね。
年末はみんな忙しいよね。無理あったかな。
とにかく、もう時間もないから私は帰ります。
もしもこの手紙が間に合ったらメイちゃんか十和子さんにご連絡お願いします。
それでは。
* * *
▽Read More
零へ
そちらは変わりありませんか。
こちらは雪が降りました。
さっそくマフラー使っています。
ありがとう。
当主は変わらず達者にしています。
日の出前から起きて水行してるんだよ。
まったく、僕のほうが負けそうだ。
修行は朝の雑巾がけから始まり、夜遅くの屋敷の戸締りで終わります。
掃除したりご飯つくったりの毎日で、修行と言うよりは
家政夫やってるだけのような気がして仕方ありません。
食事は当主に合わせているので健康的です。
塩引鮭食べたいと言われるけれど、老人に塩分過多は禁物。
毎朝の魚はめざし一匹です。
どんなに頑固で怖い当主相手でもそこだけは譲れません。
歳末前には許してもらって、家に帰るつもりです。
ひさしぶりに零の顔も見られると思う。
受験勉強で忙しいと思うけど、大晦日と元旦くらいはゆっくりしよう。
ところで冬期講習はいつから?
詳しい日程がわかったら教えてください。
父より
ピッ
留守番電話サービスです。
メッセージをどうぞ。
もしもし? 十和子お姉さん?
零です。
昨日、そちらに荷物を発送しました。
数日中に届くと思うので、お父さんに渡してください。
よろしくお願いします。
十和子さん。
いつもお父さんと私の心配してくれてありがとうございます。
ずーっと迷惑かけっぱなしだよね。
落ち着いたらいっぱいお礼するから!
お姉さんが好きな食べ物いっぱい買っておうちに行くから!
だからもう少しだけ、親子ともども甘えさせてください。
もう行かなきゃ。
またメールしますね。
では。
ピッ
メッセージをお預かりしました。
* * *
▽Read More
From: 蒼凪零
To: 十和子さん
Subject: Re:緊急連絡
======================
十和子お姉さん
メールありがとうございました。
お父さんなにしてるのかと思えば、本家にいるんですね。
当主が怒ってるなんて心配。
無事に済むといいんだけれど。
今度お姉さん宛にお手紙と小荷物送りますので、お父さんに手渡してください。
私は元気です。
ちゃんと勉強もしてます。
全然できないかと思ったけど、案外両立できるものですね。
忙しいときほど能率が上がるのかな。人間って不思議。
あと二ヵ月でセンター試験です。
その時はお世話になると思いますので、よろしくお願いします。
蒼凪零
* * *
▽Read More
From: Towako Aonagi
To: Rei Aonagi
Subject: 緊急連絡
======================
零へ
久しぶり。
私からの連絡はいつ以来になるかな。
何となく想像つくと思うけど、
今日はちょっと悪い知らせ。
▽Read More
「うん、これで全部かな」
親指についたジャムを舐めとり、零は満足そうに頷いた。
キッチンテーブルに並ぶのはできたてのパイ。どれもこれも狐色の焼き目に甘い香りを立ち上らせている。
「これが菅原さんの分、これがエレニアさんの分……」
一個一個、指差し確認していく。大きさが違うのは、パイを贈る相手にも仲間がいるからだ。
「ザッハさんは食べるのかな?」
少し考え込む。陽気なぬいぐるみは果たしてお菓子を食べるのだろうか。
「……ザッハさんだけじゃなくてリベカちゃんも食べてくれるよね」
少し小振りな一つを前にしてそんなことを呟いた。
「これが彩ちゃんの分でー」
言って指差した一つはザッハの分の倍はある。親友の彩が甘い物大好きなことと、連れのフェティたちも考慮に入れた結果だ。体力を売りにしているようなあの面々が、普通の量で満足するとは思えない。
「これが、」
ともう一つ。彩の分よりもさらに気持ち大きいパイがあった。
「鬼城さんたちの、分」
指差して呟いて止まる。
このパンプキンパイは父のオリジナルレシピを拝借したものだ。幾重にもなったサクサクの生地に、優しく甘いカボチャのフィリング、仕上げの艶出しはアプリコットジャム。料理上手な父親はお菓子作りもそれなりで、零に絶対失敗しない極上レシピを教えてくれた。
「これはお詫びだもん。鬼城さんがつくったおやつ食べちゃったお詫び」
知らず火照る頬に両掌を当て、まじないのように唱える。会心のパンプディングはおいしかったなぁなんてことも思い出す。
「鬼城さんの料理には負けちゃうかもしれないけど、お詫びだから、うん。それだけだもん。それだけ……」
うん、とひとつ頷いて自分を納得させ、ケーキボックスの蓋を持ち上げた。
「隼人さんも食べてくれるかな」
目付きも悪いし口もは悪い。けれど優しい青年を思い出す。
その時。
「トリックオアトリート! だよぉぉおん! アヒャヒャ!」
黒い影が零の頭上を飛び越え――
「キャー!」
べしょっ
「リベカー、ゼロゼロからお菓子もらったよぉお!」
「ザッハちゃんの形のパイですなの? ……ザッハちゃんからも甘いにおいがするですなの」
「アヒャ?」
お父さんへ
お元気ですか。
その後の就職活動はいかがですか。
私は今日、ひさしぶりに遺跡の外に出ました。
外にはいつの間にか家がたくさん建っていました。
私もどこかに部屋を借りようかな、と思っています。
この島ならあまり家賃かからないみたいだし、
静かに勉強できる場所欲しいから。
そうだ。
チョコレート送ってください。
頭使ったり疲れた時にはチョコレートだと思うの。
この島にはあまり甘い物がないから送ってもらえると嬉しいです。
時々無性に欲しくなる時があります。
この前なんて、鬼城さんが作ったおやつ、思わずつまみ食いしちゃったんだよね。
普段はそんなことしないんだけど、青チャート全部終わってテンション高かったからかな。
怒られちゃった。
ではまた。
追伸:
どうしても就職口見つからなかったら、お父さんもこの島で財宝探しする?
お父さんへ
小耳に挟んだんだけど、
仕事がなくなるってどういうこと?
お仕事順調じゃなかったの?
次のお仕事のあてはあるの?
失業保険はちゃんと出るの?
1年以上働いていたから出ると思うけど…
契約書とか書類ちゃんと確認してね。
貯金もあまりないんだから、
早くお仕事見つけてね。
私はもう少し、この島を探索してみようと思います。
ちゃんと勉強もしてるから安心してね。
それではまたお手紙します。
ピッ
留守番電話サービスです。
メッセージをどうぞ。
あ、お父さん?
ちょっと手紙書く時間ないから電話でごめんね。
あのね、昨日センター試験の出願してきたから。
受験料はお父さんのへそくり借りました。2万円くらい。
勝手にごめんなさい。
でもね、タンスの上から2番目の、ナンバーナインの
シャツの中ってわかりやすいから変えたほうがいいよ。
大事な物や高い物はひとまとめにする癖あるでしょ。
わかりやすいのはへそくりって言わないよ。
わ、猫のヒト、もう迫ってきた……!
今忙しいからまた後でね!
バイバイ!
ピッ
メッセージをお預かりしました。
拝啓
紫陽花が咲き始めました。
お父さん、お元気ですか。
そろそろ梅を漬ける頃でしょうか。
干した梅を転がすのが私の仕事なのに、今年はお手伝いできなそうで残念です。
この島には梅雨はなさそうで少しだけ安心しています。
普段は遺跡の中にいるから濡れることはないけれど、湿っぽいのは好きではありません。
髪が広がって大変なことになっちゃうんだもん。
お父さんみたいなさらさらの髪だとよかったのにな。
こちらは至って順調です。
ついこの前、鬼城さんが変な生物?を捕まえていました。
石壁なんだけど、手足がついていて動いて喋るんです。
この島の生態系は本当によくわかりません。
うん、でも石壁さんがいてくれるとちょっとだけ安心、かな。
いざとなったら後ろに隠してもらえばいいよね。
対象を視認しなくても魔法って使えるよね。
見たくないものは見たくないです。
ではまたお手紙します。
敬具
追伸:
カイワレが大変ってどうなっちゃったの?